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2007年12月
店長日記:3
2007年12月25日

店長日記 竹本博文

どうもすみません、北海道の旨いもの日記を書いているうちに忙しさも手伝ってのびのびになりました。おまけに弁当の話がタイムオーバーで吹きとんでしまいました。精進します。やり直しますからシバシお付き合いのほどおねがいいたします。

そうそう お膳は配膳された時 弁当はパットふたを開けた瞬間が 勝負 しょうぶ!からでした。
その場で、焼いたり 煮たり、汁物を出したり出来ない弁当(当たり前ですが)とにかく条件が厳しい! いろいろあります。

まずお客様の口に入るまでの時間 安全性を考えなければならない。

次にパッと開けた瞬間、感動、インパクトがなければならない。
そして 冷えても美味しい料理でなければならない。
また  大きさも手のひらに乗る、限られたスペースに納まっていなければならない。
そして 千円前後という手ごろな値段でなくてはならない。
最後に 次に来たときも又この弁当を買おう 旨かった~と思えるものでなければならない。

私の気づかないところで まだ他にも沢山 業者(料理人)さんの苦労もあろうかと思いますがこのへんにしておきます。

若いころは兎角 人様が苦労して、つくった料理を食べてはこれは 旨いか否か、
腹がおきたか否か、ビールに合うか否か、ぐらいのところで素通りしてきたように思うんです。 
自惚れになりますが、どうやったら旨い醤油になるのか、
何を加えたら(ある食材)に合う様になるのか、火加減はどのくらいがいいか、この添加物は何度ぐらいが一番ききがいいか、
女性 男性 どちらに享けるか? などと試行錯誤していますと 人様がつくるものの苦労や気持ちが少しは解るようになって来たのではと思うんです。そんな中まるで3日ぶりにめしにあり付けた様に 食べながら何時の間にか涙しているんです。
本当に 凄い弁当に出会った。出会いました。
この弁当多分有名だとおもいます。でもこの弁当を食べながら(自分の家業と重ねながら)私本当に涙がでました。

北海道フルムーン最終日 バスで洞爺湖を後にしました。曇りで羊蹄山はみえませんでした。ガイドの小川さんが念をおすように右に有珠山 左に昭和新山・・ はい覚えさせていただきました。高速道路から見えなくなるまで有珠山を眺めていました。特急北斗
に乗るため一路長万部へ・・・4日間のお付き合いでしたが皆さんたがいに頭を下げながら、なごりを惜しんでお別れしました。

特急北斗は函館ゆきで左手には内浦湾の淋しげな風景が旅の終わりを余計にむなしくさせました。2日目記念写真を撮った大沼公園をすり抜け 函館へ左手奥に小さく五稜郭の展望台がみえました。 あそこいったなあ~と女房に指差すと あほにした顔でニヤリ
函館から特急白鳥(八戸行き)青函トンネルをくぐり、八戸からは東北新幹線はやてで東京です。
この八戸行きの電車のなかでこの弁当に出会いました。

パッと開けた瞬間 負けた まいった ありがとう。感動が伝わってきます。

弁当をつくった料理人の声が聞こえてきます。こうです。北海道によう来てくれたなあ 北海道最後の思い出に味おうて食べてや これが北海道や この弁当一つで北海道全部食べた気にさせてやる!  です。

そして厳しい条件の一つ一つを見事にクリアしているんです。 
この弁当は正方形で9つの正升に区切られていて漬物のところ(左下の隅)意外は全てごはんが敷いてあって、上にご当地の海産物が料理されて乗っている。早い話がミニ丼の博覧会とでも言いましょうか・・
 
 丁度ワゴンサービスのおねえさんが来ました!ここは日本酒千歳鶴  ゼンゼン迷いませんでした。ハイ 
まず左上すみには ウニ丼 そのまま乗せると水分が出てきて苦味が強くなり、風味もおちるので淡口とみりんでサッと火をとおしてある。
 その右には にしんの甘露煮これは凄いですよ、魚なのに牛肉のような濃厚な味、そしてその下には数の子。なんと親子丼になっている。
かなりの時間をかけて濃い口醤油 砂糖,しょうが、みりんで煮込んでいる。にしんの臭みが美味しさに変身してます。
  その右には パリッと塩のきいた鮭丼 塩がしっかり鮭の旨味をつかんでいる。 塩加減がちょうどいい、塩は最近嫌われ者ですが、
しおは旨味をのせる船のようなもので、これがなくては美味しさは運べません。塩気のない塩鮭 カレーライスを想像してみて下さい。
 吐き出しそうです。
 その下には  ご存知いかめし いかの中にもち米を入れて楊枝で止めて、時間をかけて甘めに煮込んでいます。大きさが丁度いい。
 ど真ん中は  北海道代表 いくら丼 なにもたさない、ひかない、素の味がとてもいい、ここでお酒がなくなりました。
 その左には  帆立丼、この帆立燻しています。歯ごたえが凄く、あまり美味しくないひもまで(まわりについているやつ)歯ごたえがよく旨い! 手間かけています。
 その下が 漬物 。叱られるかもしれませんが 私ならここは 羅臼か利尻か日高の昆布巻きでスーパーパーフェクトねらいます。
 その右が 千切りした玉子焼きの上にふわっとしたカニが散りばめられてグリーンピースがパラパラ、ふにゃふにゃとねこのようにたべました。 千歳鶴おかわり!
 最後右下は  つぶ貝となめこの生姜煮でこの食感と歯ごたえはコリぷりコリぷりとたまりません、そしてここにもグリーンピース。
 あっと言う間にワンカップが2はいも空いてしまいました。 
  いやあ~ここまでやられると 感無量 ぐの音もでません それに弁当を食べ終える場所まで考えているのでは?と思うくらいに少し陽がさしてきました。はるか遠く真横に小さくなった函館山、北海道の皆さんありがとう・・男伊達らに涙がポロリ・・・
       



  <函館駅弁  値段1,300円>

  
  私、若い頃は九州にいました。九州の人は、なつっこくて、情が厚いですが、北海道の人も厚いですね。厳しい寒さに鍛えられたせいか辛抱強い、ですからガイドさんも運転手さんも辛抱強くサービスしていただきましたし情の厚さをかんじました。
  出された料理もみんな辛抱強く手間がかけられ工夫されていました。旨い食材が山ほどあって情の厚い人が料理するのですからこれはもう鬼に金棒です。 
北海道がんばれ~

  ガイドの小川さんに教えてもらいました。北海道にないもの 春は旬の竹の子 冬はみかんです。
  全国のみなさん北海道に行くときはおすそわけにいきましょう!喜びますよ~ 一盛り多くなるかも?
  最後にもう一言、辛抱強さの表れか北海道のコメがかくだんに旨くなっています。それに伴って酒も旨くなってきています。
  
 酒は千歳鶴 誤解しないでください、私お金誰からももらってませんから、ハイ
  
 北海道を全部食べましたが又必ず行きます。 
ありがとう。ありがとう。北海道まんでにありがとう・・
  

  北海道旅行の旨いもん話もこれでおわりです。長い間ありがとうございました。        店長 竹本博文 
                        
 



2007年12月09日
 店長 の竹本です。香川の方はもうすっかり紅葉しました。
 
とは言っても温暖化の影響か、3割ぐらいは緑のままが残っています。               ホームページの写真がそのようすです。北海道はすっかり冬景色でしょうね。灯油がまたねあがりして大変ですが風邪などひかないように気をつけて,頑張ってください。今日は美味しいお膳、涙の駅弁のお話・・・行ってみます。

コース料理は玉手箱から真珠のネックレス、エメラルドのブローチ、ダイヤの指輪・・
次は何がでるかな?味の方はどうかな?映画を見るようなワクワク感と期待感が次々にやって来るんですけど、お膳はサッと運ばれた瞬間、弁当は箱をパッと開けた瞬間が勝負ですよね。なんといってもお膳はコース料理と違って熱もの(焼きもの、煮物、汁もの)
冷もの、新鮮な旬の海産物、それに大勢のお客さん、ボチボチ出してはいられない、  短時間勝負!
コースとは違った大変さがあるとおもいました。当然弁当では無理です。ハイそこで 
はるばる やってきました。 旭川ラベンダーヒルズ、 お昼のお膳もやってきました。
メインは旬の特産物を花のように散りばめた海鮮寿司(鮭、イクラ、かに、青じその上に、いか、うに) 配色が奇麗です。そのよこには、固形燃料を使った焼き物、土鍋の上には(鮭、ホタテ、いか、もやし、かにみそと味噌をまぜたものが敷いてある、そしてバター)これに火をつけるとどうなるか?想像して、して・・うわ~叱られそう
私は思わず ビール大盛りをたのみました。又おなか出そう!  もちろん良く冷えたサラダ、そして手前にはカニのお吸い物、品の良い甘さが寿司への食欲をさそいます。
デザートは夕張メロンのプリンでした。 色合い 熱もの 冷もの 生もの  
そしてここにも 酸 苦 甘 の味覚がバランスよく散りばめられていました。
お膳と弁当の宿命はどこから箸がつけられるかわからない 私思うにきっとこうでしょう。

 どこから付けても私の手のひらの上さあ来い!まるで一腹の絵を見るような料理長さんの意気込みの伝わってくる料理でした。 いや~ありがとう

                                  店長 竹本博文
  
2007年12月01日
店長の竹本です。 大分忙しくなってきました。 しばらくお付き合いのほどよろしく。

今日はコースです。北海道2日目昼、来年7月先進国サミットが洞爺湖畔のウインザーホテルでひらかれるそうです。 とにかくでかい!天井がそのへんの小中学校の体育館の2倍ぐらいあります。そこからは洞爺瑚 羊蹄山が一望できます。何せセキュリテイ万全だとか、夏は最高でしょうね。ここで昼食をいただきました。 コースといっても5000円くらいだから ス料理を スーといただいたといったところでしょう。塩味 うま味 はバランス
良いし、基本的な味覚の縦軸のところはちょっとおいておいて、 何時も感心するのは・・
苦味 甘味 酸味 この3方向の軸上で客の舌をうまくくるくる回して踊らせている。

最初はたいがい甘めのクリィーミィーなかぼちゃのスープかやさいのコンソメスープー
次は 酸味 北海道ならではの鮭のカルパッチョ、特産の野菜なんかと一緒に。
次は 甘め のソースでエゾシカのロテイー 舌の油をワインでリセットして、 次に心地
良い 苦味 のカニみそソースかウニソースでたらば蟹をいただく。          デザートに甘酸っぱい洋ナシのコンポート、またはアイスクリィーム、ケーキ?かな 最後はほっとで 苦い コーヒーか紅茶。 じゃありませんか?これはもう 苦 甘 酸 舌の上の運動会や ひこまろさんいただきました。・・・

まっ白い皿のうえに綺麗な箱庭が広がって、魔法のソース(いろんな素材の味)で 
色々な味覚の世界へいざなう・・もううちの女房以上にうまく踊らされてしまいました。
気分は一流料理人か料理評論家、もしかしたらミシュランガイドの総責任者、ジャン、リュック、ナレさんがメンバーに入ってくれって!来たりして・・なんちゃって・・
まだカンビール2本しかのんでません ハハイ 5000円ぐらいのコースの中にも料理人
の苦労やアイデア、試行錯誤、の詰まった、ウインザーの昼食とトマムの夕食でした。
みなさんどうもありがとうございました。また行きます。

  余談ですが、ジャン、リュック、ナレさん曰く
 ミシュランの東京上陸は日本料理をジャッジすることでなく新しい才能を見つけ、育てて行くことにある。だそうです。 またまた感動です。
たいして綺麗でもないせせこましく薄暗いどこにでもある普通の屋台、使い古されたヤカンと一升びんがおいてある、そこにミシュランガイドをもった人たちがたむろしている。
さあどんな料理が出てくるか楽しみにまっている。そんな写真を見ていると、これは本物だとおもった。    なんか夢があっていいですね。 とりあえず星一つから食べにいきますかね・・  ではまた                                                                  店長 竹本博文